紹興酒
豊かな水と運河に恵まれた古都紹興
古都紹興
中国第2の都市上海から南へ210km、ゆっくり走る中国の特級列車で揺られること5時間、中国屈指の水郷地帯紹興に着きます。大小の運河が縦横に走る水の都紹興は、古くは春秋の時代、越王の居所会稽の名で知られる歴史を称える古都です。町並みは落ち着いたモノトーンの色彩で包まれ、白壁に黒瓦の家が立ち並ぶ様は、訪れる人をやさしく迎え、ノスタルジーで心を和かにさせてくれます。豊かな水、煙突の突き出す紹興酒工場の酒の香り、そして古都ならではの落ち着き。運河をゆっくり行き来する小舟は、紹興酒をいれカメが積まれて・・・・・。2400年もの歴史を越え紹興酒を今に伝える町並みが今も素朴に残っているすばらしい街、まさに“東洋のベニス”といっても過言ではないでしょう。
紹興酒ができるまで
原料と水
(良質なもち米と豊富な清水を贅沢に使用)
米:紹興酒の掛米原料(直接仕込にされる米)は、良質の100%もち米です。おもに長江(揚子江)を境に中国大陸南部、華南地方が質のいいもち米が採れることで有名です。おおくの紹興酒は、華南地方で造られてもち米の中から、特に粘り気が強く上質なものを厳選して原料にしています。
水:浸米、仕込みなど酒造りに欠かすことのできない大量に使用する水は、紹興市の近くにある会稽山系の清水を集めた金湖の湖心から直接パイプラインで引いた水をふんだんに使っています。この金湖の水は、有機分が少なく低硬度で酒造りに適した名水です。日本でも中国でも選りすぐった原料と水が銘酒そ醸しだすのです。
仕込み
(独特の麦麹と熟練の手による仕込)
精米されたもち米は平均10日以上、金湖の水に浸します。水をたっぷり吸収したもち米を水切りし、蒸し上げ、冷ましてから、いよいよ水と麹、酒母を使って仕込に入ります。仕込は500gも入る大ガメで行います。ここでは、昔と変らぬ2400年の伝統が発揮される重要な作業が行われます。ところで日本酒と同様、紹興酒の醸造においても麹が使われます。ここで日本酒と紹興酒の違いがはっきりわかれます。日本酒が米麹を使うのに対して、紹興酒の場合は小麦から作った麦麹を使用します。麦麹は、小麦を磨砕し水を打ちながらレンガ状に固めた魂を小さく切断し、ムロに写して12日〜15日間じっくりと保温、不要な菌を除去した後乾燥いて作られたものです。形は小さなレンガ状。この独特な麹が紹興酒に生命を与えます。
発酵・圧搾
(2度に及ぶ発酵過程が風味を高める)
仕込が終わると発酵に入ります。紹興酒は前後2回に分けて発酵を繰り返します。仕込の後、前発酵として10日ほど発酵させ、その後小さなカメに詰め替えてさらに70〜80日間じっくり発酵(後発酵)させます。この過程でモロミの中の各成分が互いに作用して風味を高めていきます。2度の発酵が済んだモロミは絹の袋にいれられ積みかさねられ、時間をかけて圧搾され芳しい香りの新鮮なお酒カメに詰められます。
圧搾され搾り出される新酒
貯蔵・熟成
(大ガメの中でゆっくり熟成)
搾り出されたばかりの酒は、ろ過、加熱殺菌を経て貯蔵用のカメに移しかえられます。カメは陶製で高さ50センチ・容量24L。入念に清掃され、120℃の蒸気で殺菌されたものが使われます。カメの口の周囲には、ハスの葉、油紙、竹の皮などで厳重に封がされ、さらにその上から土で塗り固められます。
紹興酒の熟成は陶製の大ガメが使用されますが、陶製の大ガメは木樽などと違い、外気の浸透がほとんどなく、空気による酸化作用から酒を守ります。しかも器そのものの成分が酒に溶けこむことがありません。これにより、酒自体の成分により、酒質がゆっくり変化していくことができるのです。紹興酒が醸しだす独特の味わい、そのひとつの秘密がここに隠されています。
紹興酒の分類
(紹興酒は製法、味わいの特徴などで大きく3つに分類されます)
紹興酒加飯酒(シャオシンチャファンチュウ)
現在もの加飯酒が紹興酒の中心で、一般的に紹興酒といえばこの加飯酒を指します。特に古くて上質なものは<陳年><花彫>といいます。
良質なもち米と麦麹だけを原料に、金湖の清水をもちいて醸造。さらに貯蔵用のカメで3年以上熟成されてできあがります。アルコールの度数は16〜18度。辛口ですっきりした味わいが特徴。「加飯」の意味は、もち米を多く使用した「加飯」酒であるということ。一般に老酒よりは、もち米を多く使用しているので「加飯酒」と呼ばれています。
紹興酒善醸酒(シャオシンシャンニャンチュウ) アルコール度数 14度
もち米の仕込量と麹の種類をかえて醸造されます。糖分8%とやや甘口の味わいが特徴。その昔、王侯達の食卓を飾ったといわれています。
紹興香雪酒(シャオシンシャンシュエチュ) アルコール度数 18度
もち米の仕込量を最も多く使用して醸造されます。色は清らかな淡黄で、香り・甘味・酸味のバランスが別格。糖分20%と甘口なのが特徴です。
古都・紹興の見所
紹興を遊ぶ時退屈という言葉は必要ない
紹興市醸酒公司
紹興駅近くにある醸造酒、紹興酒造りや壷の絵付け作業が見学できる。
魯迅記念館
紹興は、中国近代文学創始者魯迅(1881〜1936)の生地、博物館には、自筆原稿、手紙、写真など600点を展示。
成亭酒店
魯迅記念館近くにある魯迅の小説にしばしば登場する居酒屋、歴史を感じる木目の椅子と机がなんともいえない紹興酒を頼むと大きめの茶碗になみなみと酒が注がれてくる。
府山公園
市の中央にそびえる小山で春秋戦国時代の遺跡ガある。
蘭亭
東普時代の書家、王義之ゆかりの場所、市の中心から15Km西南にあります。
東湖
そびえる岩山の絶壁の美しさで知られる小さな湖、紹興市の東約3キロメートルに位置する。
お勧めの宿
紹興飯店
府山公園山麓にある1920年代開業の伝統と格式ある宿寺院風の伝統建築。中国では珍しく国際直通電話完備、日本のニュース、テレビも見れて快適な宿、早朝は公園を散歩すると老人がお茶や太極拳で楽しむ姿に触れ合うことができる。宿の中にあるオシャレなレストランもこの地切っての名所として有名。
1泊:6000円前後
電話:(0575)5155888
紹興への行き方
上海からゆっくり走る快速汽車で、5時間20分
夜行汽車だと夜11時頃出発、早朝到着する
上海では、中国人混じり切符を買う事も出きるがかなりの人込み行列で難しい
駅、横にあるきれいな高層ホテル1階のフロントで外国人のための切符売り場で購入するのがお勧め!!ちなみに中国では、外国人料金という制度があり人民の3倍それ以上の金額を支払わなければならない。
市内の交通
市内は人力三輪車がおすすめ。(注意:乗る前に乗車金額の交渉は必ずすること
郊外へは泊まる宿からタクシーをチャータしてもらうとトラブルがなく目的地まで運んでくれる