11月8日(日) 平塚市大根商店街
昨夜は、平塚八幡宮表参道にある大門会の会長であった、故・『高橋經祺(たかはし つねき)くんを囲む会』が行われ、神奈川県内の同志が集まりこれからの街の活性化について彼を偲びつつ夜を明かした。
街のために汗を流した
高橋經祺君とは!
JR平塚駅北口商店街「大門会」会長として、街の活性化に尽力した男性が若くして亡くなった。「御刃物処枡屋」の店主高橋經祺(つねき)さん。大門通りは、平塚八幡宮の参道として市内商業の発祥地として繁栄したが、八幡前の国道1号線の整備により参道が分断。商店も減り、賑わいが薄れつつある中、表参道を復活させたいと奔走、地域のイベントにも汗を流した。妻や仲間たちは今、高橋さんの遺志を継ぐと心に誓っている。明治初期に創業した店の5代目。もともと金物店だったが、高橋さんの代から刃物専門店となった。妻の奈緒子さん(38歳)によると、参道を分断する形となっている国道1号線に横断歩道を設置することを強く望んでいた。「鎌倉の小町通りや浅草の仲見世通りのようにしたい」と、よく話していたという。
2013年の三が日には、平塚署の協力を得て国道1号線の歩行者横断が実現した。少なくとも国道1号線が整備された1978年以来初の試み。警察などに掛け合い、奔走した中心人物が高橋さんだった。昨年と今年は元旦のみとなったものの、「渡り初め」は参拝客にも好評で、地元に定着しつつある。
大柄な体に異変が出始めたのは数年前。右側の尻が膨らみ病院で検査をするも異常なしと診断された。が、その後も大きくなるばかりで、今年に入り、再度検査すると「脂肪肉腫」と宣告された。2月の手術で約5kgもの腫瘍を摘出したが、骨盤に再発。杯などにも移転し6月28日、息を引き取った。41歳だった。
昨年12月に長女が誕生したばかり。「娘の寝顔をまともに見ることもできなかった。でも、『必ず家に帰る』と気丈に頑張った。体は病気でも、心は最期まで元気だった」。奈緒美さんは娘と両親、そして店を守っていくと心に決めた。街の活性化に向けても「少しえもお手伝いできれば」。
八幡宮と大門通り一帯で開催される「ぼんぼり市」は9月12日、「大門市」は11月29日。また、来年の元旦も「渡り初め」が予定されているという。
神奈川新聞2015年8月10日の記事より
(写真 高橋つねき君を取り囲む神奈川県内の同志 あきんど。 平塚大門商店街にて)