空き家対策の取組について(石川県能美市役所)

2023-07-20

2023年7月19日(木)

本日は座間市議会都市環境常任委員会の委員8名と議会事務局1名(随行員)にて、

石川県、能美市を訪問いたしました。  

 

【研修科目】

②空き家対策について   

 

石川県能美市 (市制施行 平成17年12月1日)

人口 49,691人    面積 約84㎢    外国人登録 1,244名 

財政規模  当初予算(令和5年)  約268億円

小松空港10km  金沢港23km 交通アクセスに優れた町。

 

②空き家対策について   説明者 土木部  中谷部長 

 

全国的に社会問題となっている空き家問題。空き家問題について先進的な取り組みをしている石川県能美市にて、土木部、中谷土木部長にお話をお聞きしました。 能美市の土木部は「土木課」「まちづくり課」「上下水道課」を所管しております。現在、能美市では空き家の実態調査を5年に1度行っており、 平成25年までは、コンサルトに委託していましたが、より地域に密着した社会問題と受け止め、平成30年から 74の町内会の協力で行っています。側近の空き家の状況ですが、令和4年は 773件となっており。 平成30年から比べると 306件、45%の増加率となり、年々深刻化した問題となっています。能美市ではこの問題を、地域のリスク( 自然災害、老不審者の侵入 放火 犯罪 不法投棄 害虫の発生等)と所有者のリスク( 維持管理コスト 空き家が原因の事故発生時の損害賠償)の2つのリスクから検証にあたり、平成28年2月に10名の組織からなる「能美市空き家等対策協議会」を設立。 平成28年には、能美市空き家等対策計画を策定(令和3年改正)し、放置すれば倒壊当著しく保安上危険となるおそれのある状態の有害な空き家【特定空き家】を認定いたしました。 それと並行した啓発活動として、市独自で【空き家セミナー】を行う他、石川県の宅地建物取り引き協会と連携をして、年に2回【個別相談】を行っています。また、積極的に町内会や学校に出向き【出前講座】を行い啓発に当っているとの事でした。

平成26年には、市内にある空き家の流通・活用促進を目的として、土地家屋の所有者から集めた情報をウェブサイトなどで公開し、購入・居住希望者に提供する【空き家バンク制度】を開始しており、石川県の宅地建物取引業協会と協定を結び、内部調査をするなかで、制度開始から100件の登録、66件の成約が行われたとの事でした。

 

空き家バンク制度に対する土地活用の促進として以下の先進的な補助制度を行っています。

 

〇空き家改修費等の補助金  空き家バンクに登録された物件の改修(リフォーム)

 2/1 50万円程度

〇空き家清掃費等補助金  空き家バンクに登録された物件の清掃(クリーニング)

 1/2 5万円程度

〇空き家等解体費補助金  空き家等の解体に係る費用を補助  老朽化1/5 🔟万円

                        不良空き家 1/2 50万円

〇空き家等対策地域活動費補助金  自治会が行う対策に係る経費を補助 全額補助 10万円など 

この補助制度を見ているだけでも、空き家が地域に与えるリスクと影響を重大な問題と考えて、行政側が率先して対応に当たっていることがうかがえます。なかでも、特定空家等の所有者等が特定できない場合、また相続放棄などの場合、協議会に諮り、解体整備を執行する【略式代執行】の実績の説明がなされ、負担としては、国の【空き家対策等総合支援事業補助金】を活用し執行がなされるとの事でした。今回の訪問にて、空き家問題を大きな社会問題ととらえる中、⓵地域のリスクと②所有者のリスクの2つの面を検証しつつ取り組む様々な事業に対し、少子高齢化さらには、独居世帯が増加する事を想定しながら、空き家の減少にむけて行政と市民が一丸となり、私達の地方議員がパイプ役となり真剣に取り組んでいかなければならないと感じた研修でありました。 最近、座間市においても、空き家に関するご相談を受けるなか、先進的な取り組みを情熱的にご説明をしていただきました、土木部のみなさま そして議会事務局の皆様ありがとうございました。