歴史資産を活かした観光振興について(島根県大田市)

2023-07-14

2023年7月14日(金)

 

本日は、歴史資産を活用して観光行政に力を注いでいる、

島根県の大田市役所を会派(4名)にて訪問し、「歴史資産を活かした観光振興」についての取組について、研修をいたしました。  

 

大田市(おおだし) 市制施行 昭和29年1月1日、人口32,487人(座間市の4分の1) 面積 約435㎢(座間市の約25倍) 財政規模 一般会計当初予算(R5) 22,530,000千円。

大田市は、座間市の24倍の広さに約3万人の人口という規模の自治体であります。

 

今回の研修では、産業振興部の観光振興課の下垣課長からの説明を受けました。

大田市は、かつて銀の生産が盛んで、世界的な経済と文化交流に影響を与え、銀を生産した坑道や工房が現存していること、銀を運搬した街道や港が残っているという事から、平成19年に日本で14番目に「ユネスコ世界遺産」に登録された「石見銀山」で知られています。 この大田市では、世界遺産の他、自然界の森林や化石、縄文遺跡の他、神社仏閣、などの歴史的文化財や神楽などの無形文化財など、歴史遺産を活かした観光振興を行っています。 現在座間市においては、観光資源が少ない中、5月に行われる大凧祭りには、2日間で約5万人(令和4)、また、夏に行われる、ひまわり祭りでは約8万人(4日間)訪れており、単発ではありますが、立派な観光的要素を兼ねたイベントとなっています。それに対し、島根県大田市では、石見銀山をはじめ 3つの日本遺産が存在しており、それらの遺産をその他、自然、文化、芸術をリンクする形で、年間約22万人の観光客を迎えているとのことでした。 観光収入は、市の財源を大きく左右するもので、観光客の受け入れに関する工夫や努力はとても重要なものと考えており、なかでも、人材づくりと体制づくりに苦労されているとのことでした。現在約3万人の大田市では、10年後は約3割の人口減少が生じると想定をするなか、ただ観光客の集客率を増加させるのではなく、観光振興計画を再生させ、地域経済に良い循環を与えることを念頭に観光事業を推進していくとの事で、宿泊者は年々減少傾向にあるものの、大型観光客受け入れの在り方を変え、多数客用ではなく、ファミリータイプや少人数の宿泊施設体制に切り替え、歴史的資産を活用したイベントの開催、また食文化を活かした観光PRなど、市民皆様と共に歩む【共創観光都市】を目指しているとのことでした。また、神社仏閣、遺跡、森林、そして神楽(民謡芸術)なども、立派な歴史遺産ととらえ、なかでも伝統芸のである【神楽】は、市内に10の組織があり、高校にも部活として存在し、神楽に興味をもち大田市に就職をする人もいるとのことであります。並行して文化遺産を継続させるため、若者の育成、リターンしてくる人材を確保していくことが重要な課題でありました。この研修では、一見何でもないようなものが、見解をかえることにより、立派な観光資源になるという実績を学ばさせて頂きました。 座間市にも現在、神社仏閣、湧き水の景観、さらには縄文土器の遺跡、お囃子や歌舞伎などの無県文化財が存在しています。これらを活かしていくのは、私達大人、そして次世代を担う現在の子供たちであると肌で感じた研修でした。 

島根県大田市の議会事務局の職員さま、

そして産業振興部の職員の皆様 色々ありがとうございました。