プレソワール
(ぶどう圧搾)

これぞフランスのエスプリ
おそらく、ものすごいスピードで変わりつつある21世紀、時代に取り残された一台の木製のぶどう圧搾器、フランス全土を歩いても、あまり見かける事のなくなったこの圧搾器を使い、いまだに時間も手間もかかる方法でぶどうを絞ぼっているワイナリーがある。そのワイナリー・ジャン・フォワイヤードでの手に豆ができる。原始的なぶどうの絞り方を教えよう。
 今日のぶどう圧搾器
今日でのフランス、ヨーロッパ諸国では、最新のぶどう圧搾器、フランス製のバスラン式と呼ばれる水平プレス器を使用してぶどうを圧搾するのが主流である。このぶどう圧搾器は電力でかまぼこ状の形をしており、アコーデオンのように両横からぶどうを力強く潰していく仕組みになっている。 バスラン式圧搾器 

 葡萄との格闘 
右の写真は、全ページでの説明のように、セメントの発酵槽で発酵し、自然に流れるぶどうの果汁液(フリーラン)を発酵タンクで発酵させる作業が行われているかたわら、発酵槽に残っているぶどうに含まれている多くの果汁を搾り出す作業プレスの風景である。まず、僕がワイン造りを学んだジャン・フォワイヤード家では、発酵槽に残った、まだたくさんの果汁の残ったぶどうをスコップで古い歴史を物語るプレス器の正方形の木の枠に形を整えながら、ピラミッド状に中心部を高くしてぶどうをかき集めます。この作業は桶に水から身体をいれ、ぶどうとの格闘そのものである、この作業を一日2回行うので、作業が終わる夕方には、ズボンや衣類は紫色に、おまけに手のひらと作業中、葡萄をたくさんつまみ食いするのですべての体のいたるところが紫色になってしまうのである、あるものは作業中、目をかくので中国パンダの様に、あるものは、鼻がかゆくなり拭うので第二次世界大戦終戦の頃の、ギブミー・チューインガムのガキのような光景である。この作業には、労働力を必用とするので、僕の行ったワイン造りは大変な貴重な経験をしたことになる。

ぶどうを素手で中央にかき集めるジュンロウ(中央)と仕事を監視するパトロン、ジャン・フォワイヤードさん(手前左)

 フランスで学んだ雑学
 もし新しいじゅうたんに赤ワインをこぼしてしまったら?
 まず、落ち着こう、そして、すばやく、赤ワインをこぼしたじゅうたんに洗剤をたっぷり振りかけて20分くらい待つ、そして掃除機で洗剤を吸い取れば、元通り、これで、トレ・ビヤ〜ン

 みんなで力をこめて、アン・ドゥ・トロワ!! アン・ドゥ・トロワ。 なぜフランスに来てポーランドのオヤジと向き合い汗を流すのか?カメラに向かい手をン抜くポーランドのワルシャワおやじアレキサンダーさんと、いつも全力のジュンロウのワン・ショット。

右に左に、チクタク、チクタクおじいさんの時代から動いている大きな古風の圧搾器、21世紀の急流の流れに流されずどこまで動き続けるであろう、それは、ワインの神、バッカスが知るのみ。



 ワインの神,バッカスって誰?
バッカスといえば、ギリシア生まれの酒の神様である。この神がどういう来歴の神かを知っているものはいない。しかし彼は,中央アジア、コーカサス地方を訪れ、醸造法を習得しこれを人々に教えたという言い伝えがある。このバッカスは、性の神でもあり、かなりの女子好きであったともいわれている。ちなみに僕の住む神奈川県には、バッカスのように、酒好きで女子好きの友達はたくさんいる
彼達は、神様と呼んでいいのであろうか??



 時代遅れの圧搾機から搾られた発酵のしている新鮮なワインが木桶に流れ込む様子。この発酵の未熟なジャン・フォワイヤード家のワインは再び発酵槽に、その後225リットルの樽(バリック)長期熟成され、瓶詰めの時を待つ。


さあ、ワイン造りも最後の瓶詰め作業へ